仮想マシンのオーケストレーション
Cockpit は、物理サーバー群の上で動作するすべての仮想マシン(VM)をコントロールする総合管制室を提供します。電源のON/OFF操作、新しい VM の作成、および自動バックアップのスケジュール管理をここで行えます。
1. 仮想マシンの一元管理カタログ
仮想マシンを探すために各物理サーバーにいちいち個別にログインしなくても、Cockpit がすべての VM をひとつのリストにまとめます。
- 💡 たとえ話:図書検索システム 図書館の検索端末をイメージしてください。本がどの階のどの棚(どの Vapor ホスト)にあろうとも、検索するときは一箇所の画面で検索します。VM が実際にどの物理サーバーの上で動いているかを気にすることなく、グループ分け(「開発用」「本番用」など)してフォルダで整理できます。
カタログの主な機能:
- 詳細情報ビュー: CPU やメモリのリアルタイム利用グラフ、ネットワークカードの設定(IPアドレスやMACアドレス)、過去のディスクスナップショット履歴などを表示します。
- リモート画面接続 (VNC/SPICE): Webブラウザの中から、直接仮想マシンの画面を開いて操作できます。これは仮想のディスプレイとキーボードとして機能し、サーバーの目の前に立ってモニターを見ながら操作しているのと同じ感覚でセットアップを行えます。
2. 仮想マシンのライフサイクル管理 (作成と電源操作)
クラスター内にあるすべての VM のライフステージを管理できます:
- 電源操作: VMの起動、安全なシャットダウン(Windowsの「シャットダウン」クリックと同じ)、強制停止(フリーズしたパソコンの電源プラグを抜く動作)、一時停止、および再開。
- 新規 VM の作成 (プロビジョニング): 新しい仮想マシンを作成する際、 Cockpit の作成ウィザードが優しくガイドします:
- 対象ホスト: どの物理サーバーの処理能力に一番余裕があるかを判定して選択。
- ストレージの割り当て: VMのデータをどのハードディスクに保存するかを選択。
- ネットワーク設定: どの仮想ネットワークスイッチに接続するかを選択。
- VM テンプレートの管理:
- 💡 たとえ話:クッキーの型抜き 新しい VM を作るたびにOS(UbuntuやWindows)を最初からインストールして初期設定するのは非常に手間がかかります。そこで、設定済みの「完成形」をテンプレート(マスターイメージ)として保存します。これ以降は、テンプレートをクッキーの型のように使って、数秒で全く同じ VM を量産できます。
3. グローバルバックアップと復旧
仮想マシンをデータ消失から守るため、自動バックアップを設定できます:
- バックアップポリシー: 「データベース VM 群を毎晩午前2時にバックアップする」といったルールをスケジュール登録しておけば、システムが自動で実行します。
- 保存先ストレージ: バックアップデータは、ローカルの保存用ディスクや、クラウド上のオブジェクトストレージ(S3互換)に安全に保存されます。
- 即時リストア (復旧): VMがウイルスやバグで壊れてしまった場合、バックアップ時点の状態に復元できます。元の物理サーバーに戻すこともできますし、元のハードウェアが物理的に壊れている場合は別の元気な物理サーバーへ復元することも可能です。